2015 年夏

複合材 - 衛星と打上げ機

TenCate は米国カリフォルニア州のモーガンヒルとフェアフィールドにある生産拠点から、通信衛星、軍事衛星や研究用衛星、打上げ機向けのさまざまな複合素材を供給しています。  

衛星では、ソーラーアレイ、ブーム/トラス、リフレクタ、バス構造などの衛星機体製造用のオーダーメイド樹脂系と組み合わせた高弾性率(高剛性)カーボンファイバーを使用しています。 ソーラーアレイは、宇宙空間にあるときは衛星に電力を送るために使用されます。ブーム/トラスは装置やソーラーアレイを衛星の本体に支えます。リフレクタは衛星通信をアップロードおよびダウンロードするために使用する通信ディスクであり、これにより携帯電話、インターネット、HD テレビ、軍事通信、分析機器とのデータ送信が可能になります。 composites orion
2010 年、耐熱性複合材樹脂が TenCate により開発されて、NASA のオリオン宇宙船のヒートシールド(径 5 メートル)とバックシェル構造に使われました。 Lockheed Martin Space Systems Orion 断熱グループが TenCate Advanced Composites (北米)と、この極限用途で使用される広範な素材の 5 年間開発および認定業務で、密接に連携しました。 この Lockheed Martin 宇宙船は、2014 年末に打ち上げ試験に成功しました。  

通信衛星によりインターネット、テレビおよび携帯電話通信が可能になります。 携帯電話、デジタルテレビ、インターネット接続に対するニーズと要望のすべてが、通信衛星の需要を高めています。  軍事衛星は、地球観測、安全通信、GPS 位置システム/ナビゲーション、早期警戒および気象情報発信を可能にします。 新しく始まったトレンドはマイクロ衛星の開発であり、これが広く展開されると遠方地域でのインターネットアクセスが実現します。  研究用衛星は、さまざまな特殊目的に使用されます。 例えば、大気変化、天候・気象変動の測定です。

composites astromesh
今年の 1 月 31 日、NASA は Soil Moisture Active Passive 衛星を打ち上げました。 TenCate Advanced Composites は Astro Aerospace に、この宇宙船(写真)の AstroMesh® リフレクタ用の TenCate Cetex® 熱可塑性複合材を提供しました。 

SMAP 宇宙船は、土壌水分を地球規模で測定し、凍結しているか融解しているかを知らせます。 このデータは、地球の水分、エネルギー、炭素循環をリンクするプロセスを理解して、天候と気象の予測モデルを向上させるために使用されます。 リフレクタは宇宙機の上部で展開し、毎分約 15 回/分の速度で回転しながら、2 ~ 3 日ごとに全球マッピングデータを供給します。 リフレクタは、TenCate Cetex® 熱可塑性複合材を使用することで、必要な強度、耐久性、軽量化を実現しています。  「TenCate Cetex® 熱可塑性プラスチックは、メッシュリフレクタに欠かせません」と、Northrop Grumman の Astro Aerospace 製品開発マネージャ、Daniel Ochoa 氏は言います。 「おかげで、パラボラ形状アンテナを作ることができました。 素材は打ち上げ前に徹底的にテストされ、アンテナの機能を支える耐久性と剛性が確保されています」 現在開発されている衛星打上げ機は、再利用可能か低コストです。衛星メーカーはより速く展開可能なアーキテクチャへシフトしています。

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