2015 年夏

複合材 - 航空機業界

TenCate の素材は、民間航空機からヘリコプター、一般航空機までエアロストラクチャのさまざまな用途で使用されています。  TenCate が製造している複合材には、熱可塑性複合材と熱硬化性複合材の 2 種類の樹脂形態があります。 現在の市場は、標準的な樹脂をエポキシとした熱硬化性が主流です。 しかし、熱可塑性複合材は現在最も成長が期待される分野です。その理由は、主に熱可塑性複合材にともなう利点にあります。

一般に、複合材は重量減少と高強度を可能にします。 複合材を使用することで重量が減少し、その結果として消費燃料が少なくなり、構造部の重量が減少することでより多くの乗客や荷物を運ぶことができます。 今日の新型民間航空機の中には、ボーイング 787 やエアバス A350 のように機体に複合材を使用しているものがあります。  複合材をこの用途で使用することで乗客がより快適になるのは、機内の気圧を高めることでより快適な環境にできるからです。 しかも金属と違って複合材は腐食しないため、メンテナンスも僅かです。 

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ボーイング 787(写真: Gail Hanusa)

航空機に応じて、TenCate 素材は航空機構造部(翼、機体、操縦装置面)に使用されます。 TenCate の熱硬化性複合材は通常はエポキシ製で、用途に応じてファイバーグラスかカーボンファイバーで補強されています。 ファイバーグラスエポキシは一般航空機や UAV では胴体や操縦装置面に使用されており、カーボンファイバーエポキシは翼桁や翼など、大きな負荷がかかる構造部品に使用されます。 TenCate Cetex® 熱可塑性プラスチック材料は、一般には内装用途(シート、ギャレー、フロア、クリップ)に使用されます。 エアバス A380 などの民間航空機では、熱可塑性複合材は、先端部や機体フレームの構造クリップ、ブラケットに使用されています。 


複合材のさらに新しい用途として、TenCate の素材は通信およびナビゲーションアンテナを収容している構造部(レードーム)の開発に使用されています。  乗客のフライト中の通信選択肢を増やした結果、飛行中のインターネットアクセスに対する需要が増えています。 これらは、ガラスベースまたはクォーツベースの複合繊維を使った熱硬化性樹脂でできています。 レードームは一般には航空機構造部の一部であり、アンテナや他の無線装置を収容するために使用します。 レードームは、アンテナや電気系統を守ると同時に、信号を通過させる役割もします。 TenCate 素材はボーイング 787 機の機首レードームに使用されており、そこにナビゲーションおよび気象レーダー装置や衛星通信(「satcom」)レードームが収容されており、これによりフライト中の乗客がインターネット接続や Wi-Fi 接続できるわけです。  TenCate 北米では、民間ジェット機や地域ジェット機の市場にレードーム素材を提供しています。 これらのユニークな無炭素素材は、軍用機や無人機のレードームにも使用されています。 

レードームの厳しい要件

これらの素材に適用される要件は厳しいものです。例えば、製造中に伝導性粒子で汚染されてはなりません。 こうした汚染は異常や通信障害に至る可能性があります。 カーボンファイバーや金属粒子による汚染は、いくら小さくても、ホットスポットを作り出し、レードームが破損したりレーダーの効率が低下する可能性があります。 このため、TenCate Advanced Composites ではこれらの素材をカリフォルニア、モーガンヒルのクリーンルームで製造しています。 TenCate 製素材は、電気的に純粋で、炭素汚染を含まないため、高く評価されているのです。 これにより高出力レーダー信号をレードームから、干渉されること無く送信できます。 TenCate が軍用レードームに使用している素材は、主にガラス純度 99.9 %のクオーツでできています。 この素材により、レーダーは電子窓のように電気的透過が可能になります。 TenCate 素材は船上レーダーにも、同じ理由で使われています。

内装用途

TenCate 素材は、さまざまな航空機内装品に使用されています。 例えば、サウスウェスト航空のボーイング 737 機のフロアリング、導管、頭上荷物棚、手押しカート、座席シートやギャレーなどです。 内装用素材は、厳しい防火性要件を満たしています。 TenCate Advanced Composites 米国および英国では、複合素材を米国およびヨーロッパの航空機シートメーカーに供給しています。 

チタンと TenCate 複合材を組み合わせてフランスの企業、Expliseat が製造したチタンシートは、重量がわずか 4 kg ながら、衝突試験に耐えた最軽量の航空機シートです。 フランス・パリで開催された JEC Composites 2014 で、このシートのメーカーに JEC 2014 Aircraft Interiors Innovation Award が贈られました。

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